スピッツの名曲『楓』を原案に、 行定勲監督が紡ぐ新たなラブストーリー。 同じ曲を違う耳で聴くように、 ひとつの物語を〝ふたりの視点〟で解き明かす、 切なすぎる真実。 たくさんの受け取り方がある、という魅力 ――映画の原案である楽曲『楓』は、おふたりにとってどんな存在ですか? 福士 もともと大好きな曲で、カラオケでよく歌っていました。でも歌詞について掘り下げて聴いたことはあまりなかったので、今回台本をいただいて読み込んでいく過程で「このシーンはこの歌詞とリンクしているのかも」と読み解いていく作業が楽しかったです。 この曲の受け取り方がひとつ増えたな、という気がしました。 福原 私はこの曲と同じ 1998年生まれということもあって、ご縁を感じますし、 たくさん聴いてきた楽曲です。聴く人によってもタイミングによっても、いろいろな解釈ができるところが魅力的だなと思いますし、この映画と共通しているなという印象です。 福士 歌詞で“穴を覗く”という描写が 出てくるんですが、“かわるがわる”って 誰と誰なんだろう?と想像しました。映画の(須永)涼と(須永)恵なのか、涼 と(木下)亜子なのか。どちらでもつじつまが合うし、別につじつまが合わなくてもいいし、ってずっと考えています。 福原 サビの“さよなら”という言葉が、映画の中でも絶対に出てくるだろうなと思っていたのですが、「なるほど、ここか!」というシーンでした。映画をご覧になる方にも楽しみにしていただきたいです。 ――お互いから見た、役柄との共通点はどんな部分ですか? 福士 亜子のすごくまっすぐで健気で、相手を思いやるあまり自分が一歩引いてしまうようなやさしさを持っているところが、福原さんと通じるところがあるなと思いました。現場の空き時間にずっと編み物をしていたんですよ。落ち着きがあって、包容力を感じました。 福原 ニュージーランドで毛糸をたくさん買って、編んでいました。福士さんは涼らしい部分と恵らしい部分の両方を持っている方だなと思いました。涼の柔らかく包み込むようなやさしさと、恵の無邪気さ、エネルギッシュさ。そして誰よりも現場を明るく引っ張ってくれました。 ニュージーランドで通訳してくれたのは・・・ ――演技する上で苦労した点を教えてください。 福士 左利きの演技です。恵が左利きの設定なので、食事や書き物の練習をけっこうしましたね。しかも、そのシーンがフィーチャーされるでもなく、さらっとやらなくてはならなかったのが大変でした。「実は苦労したんだな」と思って見ていただけたらうれしいです(笑)。 福原 逆に私は、自分が左利きなので、 右利きの亜子を演じるのに苦労しました。猫に餌をあげるシーンで、「あれ? いまってどっちだっけ?」って。 ――作中で涼はカメラ好きが高じてフォトグラファーの仕事についていますが、もしおふたりが俳優になっていなかった ら仕事にしたかもしれないほど、好きなことはありますか? 福士 いま好きなのは、言語です。言語学のなかでも音素を研究する分野があって、それがすごくおもしろくて。その音素を深く勉強したいなと思っているんです。だから学者になっていたかもしれないです。一人で黙々と机に向かうのも好 きですし。 福原 小学生のころは、幼稚園の先生になりたいと思っていました。子どもが大好きなのは今も変わらないです。 ――最後に媒体名にちなみ、いまおふたりがディグりたいものを教えてください。 福士 刀と殺陣です。僕、居合道を少しだけ嗜んでいるんですけど、素晴らしい師匠のもとでもっと習いたい、極めたいという気持ちです。 福原 私は今回の撮影でニュージーランドに行って、福士さんに英語を教えてもらったこともあり、英語が話せるようになりたい!とすごく思っています。ニュージーランドでみんなでごはんを食べに 行ったときとかも、福士さんが全部通訳してくれたんです。次は私も自分の言葉で話してみたいです! ▪️Information 映画『楓』12 月 19 日(金)全国公開 監督:行定 勲 脚本:髙橋 泉 出演:福士蒼汰・福原 遥・宮沢氷魚・石井杏 奈・宮近海斗ほか 原案・主題歌:スピッツ「楓」(Polydor Records) 配給: 東映/アスミック・エース 木下亜子(福原 遥)は、恋人の須永 恵(福士蒼汰)と幸せに暮らしている― ―と思い込んでいたが、恵のふりをした双子の兄・須永 涼だった。恵を事故で 亡くしたことを受け入れられずに混乱する亜子を前に、本当のことを言えない 涼は、だんだんと亜子のまっすぐな明るさにひかれていく。涼を慕う後輩・日 和(石井杏奈)は徐々に違和感に気づき始め...。